欠場中のフジタ"Jr"ハヤトが挨拶も、脊髄腫瘍を告白


昨年4月から結果外側側副靭帯完全断裂、内側側副靭帯部分断裂で長期欠場中だったフジタ"Jr"ハヤトがみちのくプロレス仙台大会に来場、リング上で挨拶をしたが、脊髄腫瘍を患っていることを告白した。


(脊髄腫瘍とは)

脊髄およびその周囲組織にできる腫瘍で、脊髄、神経根(しんけいこん、脊髄からでる細い神経の根元)、あるいは脳脊髄を包む硬膜(こうまく)、更にその周囲にある脊椎(せきつい)から発生します。発生する頻度は10万人あたり1~2人で、脳腫瘍の1/5~1/10程度と比較的珍しい病気です。脊髄腫瘍は発生する場所により、硬膜の外側(脊椎を含める)にできて硬膜の外から脊髄を圧迫するもの(硬膜外腫瘍、図中A)、硬膜の内側で脊髄と硬膜の間に腫瘍ができて脊髄を圧迫するもの(硬膜内髄外腫瘍、図中B)、脊髄の中から発生するもの(髄内腫瘍、図中C)の三つに分類されます。脊髄の中から発生する腫瘍以外は、脊髄が腫瘍によって圧迫されて症状がでてくるのが普通です。脊髄の中から発生する腫瘍は、脊髄そのものが傷害されます。

硬膜外腫瘍の中で転移性腫瘍を例にとると、通常脊椎を破壊するように発育して脊髄を圧迫しているので、患者さんの状態がよければ手術をして腫瘍を摘出します。しかし通常原発巣にがんが残存しているため、脊椎の転移巣を手術しても病気を完治することはできません。手術により脊髄の圧迫を取り除き日々の生活の質を保つことが目的です。また体を支える機能をもつ脊椎も破壊されているため、同時に脊椎の再建も行わなければなりません。

硬膜内髄外腫瘍は、手術顕微鏡を用いて摘出します。圧迫によって弱っている脊髄を傷つけないように慎重に腫瘍と脊髄との境界を分けて腫瘍を摘出します。摘出した腫瘍の病理標本で良性であることが確認されれば、放射線や薬物による治療は必要ありません。また腫瘍が全摘出されれば再発は稀です。

髄内腫瘍は、腫瘍と脊髄の境界が不明瞭なため、腫瘍をとるためには手術顕微鏡を用いた精密な手術が必要です。特に脊髄は、手足を動かす神経線維や感覚を司る神経線維等大事な神経線維が束になって密に存在するため、これら神経を傷つけないよう細心の注意が必要です。上衣腫は比較的境界がはっきりしていることが多く摘出できる場合が多いのですが、星細胞腫は境界が不明瞭な場合が多く、その場合腫瘍の全てを摘出することは困難です。手術中の所見で境界がはっきりしない場合は、ある程度腫瘍の容積を減らすか、あるいは腫瘍のごく一部をとって病理診断をつける生検に終わる場合もあります。残った腫瘍に対して、放射線照射や抗癌剤による化学療法を行うことがあります。特に腫瘍が悪性であった場合、脳内の悪性腫瘍と同様にこれら補助療法が必要と考えられています。脊髄髄内腫瘍は頻度が少ないため、これら補助療法の効果を科学的に証明する確実なデータはいまだ不足していますが、補助療法を追加しなければ、あるいは追加したとしても悪性髄内腫瘍の患者さんは、未だ短期で生命を奪われるのが実情です。


 膝の負傷で欠場しているつもりが、こんな重病が見つかるなんて、本人もまさか思っても見なかったと思う。本人は引退する意思はなく、あくまでリングに戻ってくることを明言している。自分らは必ず帰ってきて欲しいし、いつか絶対帰ってくることを信じるしかない。

伊賀プロレス通信24時

略して「イガプロ!」、三重県伊賀市に住むプロレスファンのプロレスブログ!