みんなで叫んだ"GO FOR BROKE!"マサ斎藤メモリアル!


2月15日 上井文彦プロデュース興行「MASA SAITO MEMORIAL~GO FOR BROKE!FOERVER~闘将・マサ斎藤追悼試合」大阪・城東KADO-YAがもよんホール 600人満員


<第1試合 10分1本勝負>

○大矢剛功(8分8秒 首固め)×長松浩二


<第2試合 竹村克司復帰戦>

○竹村克司(7分48秒 首固め)×MAZADA


<第3試合 15分1本勝負>

ビックマン・ベイダーwithモンキーマジック・ワキタ(4分34秒 体固め)×アンドレ・ザ・ジャイアントパンダwithサムソン宮本

※ボディーアタック


<第4試合 15分1本勝負>

金本浩二 ○スーパー・タイガー(14分58秒 横入り式エビ固め)田中稔 ×スペル・デルフィン


 今回は上井文彦さんプロデュース「マサ斎藤追悼試合」を観戦に大阪市の城東KADO-YAがもよんホールを訪れた。大阪に20年近く住んでいたが城東区は初めて、現在の自宅である伊賀からナビでは1時間半で到着予定が事故による渋滞に巻き込まれて2時間かけてやっと到着した。

フロアにはマサさんの試合用のタイツ、シューズ、WCWのチャンピオンベルト、写真パネルやマサさんの引退試合のパンフレット、巌流島の対決のときのプロレス雑誌が展示されていた。

 5時半に開場、リングにはマサさんの遺影がゴングと共に置かれていた。観客席には元新日本プロレスで現在車椅子でリハビリ生活を送っている片山明さん、また自分も最初は気がついていなかったが最前列には"brother"YASSHIも観戦に訪れていた。用意された席もほぼ埋まり満員、今日後楽園ホールで「プロレスリングマスターズ」が開催していたのにも係わらず、東京から駆けつけたファンもおり「多重ロマンティック」でお馴染みの漁師JJさんも観戦に駆けつけていた。

 マサさんの闘病している姿をスクリーンに映し出されると、試合前には追悼の10カウントが鳴らされ、主催者の上井さんが挨拶、上井さんは本当ならマサさんの復帰の場を設けるつもりが、マサさんの死去で約束を果たせなかったことを声を曇らせながら語った。

  第1試合では新日本の練習生ながら家庭の事情でデビュー直前に退団となった長松の58歳でのデビュー戦が行われ、相手は一緒に練習していた大矢が務め、保永昇男がレフェリーとして裁いた。大矢は現在は北海道の北都プロレスを主戦場にしているが、試合を見るのはFMW以来になる。試合は長松はリストの奪い合いやグラウンド、フィンガーロックの攻防でも懸命に喰らいついていたが、アキレス腱固めの攻防から大矢がリードを奪い、長松はマウントを奪ったものの、大矢は長松の足首を膝で押さえる拷問技も見せて容赦ない攻めを見せる。

 長松はチョップやドロップキックを放っていくが、スタミナ切れが目立ち始め、それでも意地で大矢をボディースラムで投げる。しかし大矢は脳天から突き刺すようなブレーンバスターを連発すると、逆エビ固めで捕らえ、最後はDDTから逆片エビ固めでギブアップを奪い、大矢の勝利。長松は敗れたが気持ちだけはしっかり見せてくれた。

 第2試合では竹村の復帰戦が行われ、相手には無我また東京愚連隊の先輩であるMAZADAが務め、元新日本プロレス、UWFやリングスでもレフェリーを務めた北沢幹之さんが裁いた。

 竹村はグラウンドやヘッドロック、ショルダーなどでリードを奪い、MAZADAもアームドラックを仕掛ければ竹村も返すなど、互角に渡り合う。

 竹村の仕上がりの良さに驚いたのか、MAZADAは握手するフリをしてサミングを仕掛けるが、MAZADAを場外に追いやった竹村がスライディングキックを発射、MAZADAは客席まで吹き飛ぶも、MAZADAは凶器攻撃で反撃し、リングに戻ってもサミングとラフで竹村を攻め立てる。

MAZADAのネチっこい攻めに苦しんだ竹村はブレーンバスターで反撃、串刺しでの浴びせ蹴りを放つも、MAZADAも師匠・藤波辰爾ばりのドラゴンスリーパーで絞めあげ、ツームストーンパイルドライバーを狙う竹村を正田デストロイで切り返す。

 そしてMAZADAは首固めで丸め込むが、竹村が首固めで切り返して3カウントとなり、復帰戦を勝利で飾り、MAZADAはレフェリーに抗議したものの、最終的には諦めノーサイドとなった。


 第3試合には大阪初上陸のアンドレ・ザ・ジャイアントパンダが息子のラジャ、サムソン宮本ら新根室プロレス勢と共に登場し、TPG(たけしプロレス軍団)の刺客であるビックマン・ベイダーを迎え撃ち、ベイダーは大阪在住とされるワキタを従えて登場、特別立会人はこの試合は是非とも見たいということで初代タイガーマスク、実況は鈴木健氏が務めた。

 序盤から激しいぶつかり合いとなったが、ベイダーのチョップでパンダが時間差でダウン、立ち上がったパンダは頭突きで応戦して今度はベイダーがダウンする。

 ベイダーの窮地にワキタが乱入し、パンダを如意棒で殴打し、館内からは動物虐待で大ブーイングも、パンダが返り討ちを狙ったところで、背後からベイダーが襲い掛かり、モンゴリアンチョップを連発、最後はエルボードロップで3カウントを奪い、アンドレ・ザ・ジャイアントパンダの関西初上陸戦は黒星となり、試合後は父親の敵討ちだとラジャがベイダーに襲い掛かるが返り討ちにされ、ハルク豊満など新根室プロ勢も返り討ちにされてしまった。

 休憩前には田村潔司が第2次UWFのジャージを着て登場、当初はUWFスタイルでの試合が予定されていたが諸事情で実現できず、代わりに挨拶だけで留め、ファンと一緒にリングス無差別級王座と初代U-STYLE王座と共に記念撮影会を行ったが、リングスのベルトを田村が所有しているとは思ってもみなかった。

 メインは金本がSタイガーと組んで、稔&デルフィン組と対戦して試合形式はノータッチでのルチャルールで行われた。序盤は金本と稔がグラウンドで互角に渡り合うも、デルフィンは初対決となるSタイガーの打撃と関節技に苦しむ。

 Sタイガーのフライングクロスチョップ、関節技に苦しんだデルフィンは大阪臨海アッパーで反撃、稔も打撃戦からドロップキックを放つ。

 金本は稔に金本乱舞から顔面ウォッシュを浴びせ、稔の延髄斬りをかわしてアンクルホールドで捕獲、だが稔もマサさんを意識して監獄固めを決める。

 残り時間が少なくなったところで、デルフィンがSタイガーにスイングDDTからデルフィンクラッチと必勝パターンに持ち込むが、Sタイガーが丸め込んで3カウントとなり、残り2秒で金本組が勝利、試合後は最前列で観戦していたYASSHIもリングに上げ、全員でノーサイドとなった。

 全試合終了後にはマサ斎藤 追悼イベントが行われ、ビデオメッセージではスコット・ノートン、マスターズに出場しているドン・フライとスーパーJ、リック・フレアー、マスクド・スーパースター、ハルク・ホーガンが登場、雅さんへの熱い思いを語り、上井さんの呼び込みでサニー・オノオさんが登場、オノオさんの仕切りでマサ北宮、中嶋勝彦、元WCWの社長だったエリック・ビショフ氏も登場、それぞれがマサさんの功績を称えた後で、倫子夫人も登場「私がここに立っているのが悔しい。本来、ここに立っているのはマサ斎藤のはずです。マサさんはもういない」と涙ながらに話し、「しかし、支えを見つけました。マサ斎藤という名前を、お一人でも多くの方々の心に、1日でも長く届けていただきたいという気持ちを忘れないことです。みなさま長きにわたりマサ斎藤にご支援いただきまして、本当にありがとうございました」と感謝の言葉を述べ、最後は全員で「GO FOR BROKE!」と叫んで大会を締めくくった。

このイベントを観戦するきっかけは上井さんと知り合ったことと、2016年12月に開催され、マサさんがリングに上がった「 STRONG STYLE HISTORY vol.1」には別興行を観戦していて参加できず、マサさんがパーキンソン病と戦っていたことを知らなかったことでの後悔からだった。しかしこの大会に参加したことで、倫子夫人のマサさんへの想いが伝わり、改めて来て良かったと感じさせた。