プロレス多事争論「失われていく光景」

 4月14日、ジャイアント馬場さんの未亡人であり、全日本プロレスの社長も務めた馬場元子さんが死去したが、これで馬場さんの素顔を知る側近は和田京平レフェリーだけとなった。


 自分では馬場全日本時代に必ず会場にいて、馬場さんの傍に付き添っていた人、これも現在閉鎖になってしまったが伊賀市上野勤労者体育センター大会で、自分が躓いてしまうと、ある女性から「靴をちゃんと履かないからよ!」と怒られてしまい、思わず自分も謝ってしまったが、後で元子さんだったことがわかると、えっ!と驚いたことを今でも憶えている。


 馬場さん夫婦とは一体なんだったのか?馬場さんは団体を興すことは本意ではなかったが、それを支えてきたのは元子さんで、会社の頂点に立つべき人物は時には嫌われ、憎まれることがある。馬場さんのイメージを守るために憎まれ役を元子さんが一手に買って出ていた。


 晩年の元子さんは全日本プロレスの看板を守るよりも、例えみんなから嫌われても亡くなった馬場さんを守り続けてきた。馬場さんにこれだけ献身に尽くす人はいなかったのではと思う。


  元子さんの死は、かつての全日本の会場にあったひとつの光景が消え、思い出になった感じがしてならない。時代が進むと共に、そこにあって当たり前の光景がどれだけ失っていくのだろうか・・・

伊賀プロレス通信24時

略して「イガプロ!」、三重県伊賀市に住むプロレスファンのプロレスブログ!